講演者:加藤晃史

講演題目:「繰り込みと Hopf 代数」

 

レジュメ:

 

場の理論の繰り込みとは,しばしば「無限大を有限にする処方箋」と

言われるが,それはいったいどういうことなのか?

数学者はいうに及ばず,物理学者をも悩ませてきた問題である.

この講義では,Wilson 流の近代的繰り込みの「哲学」を語るのでは

なく,むしろ,BPHZ 流と呼ばれる古式ゆかしい「技」について,

それが rooted tree のなす Hopf 代数の言葉でどのように定式化

されるかを toy model を用いて議論する.

ほぼ以下に掲げる Connes-Kreimer の論文に沿っているが,

入門的講義であり,予備知識はほとんど仮定しない.

ただし,(点粒子の)場の理論における Feynman rule とは

何かについて,ある程度のイメージを持っていることが望ましい.

 

参考文献:

1.Alain Connes, Dirk Kreimer

Hopf Algebras, Renormalization and Noncommutative Geometry"

Commun.Math.Phys. 199 (1998) 203-242, hep-th/9808042

 

"2.Renormalization in quantum field theory and the

Riemann-Hilbert problem"

I Commun.Math.Phys. 210 (2000) 249-273; hep-th/9912092

II Commun.Math.Phys. 216 (2001) 215-241. hep-th/0003188