> 10:00-11:30 寺本央1 タイトル:包括的グレブナー基底系のレビュー、特異点分類への応用の観点から  本講演では特異点分類への応用の観点から包括的グレブナー基底系のレビュー を主に特異点論の専門家へ向けた基本的な部分より行う。また、包括的グレブ ナー基底系を実際に活用するのに重要な道具であるMontesらの構成可能集合の標 準的表現とその効率的な計算方法に関しても説明する。 > 14:30-16:00 寺本央2 タイトル:包括的グレブナー基底系等を用いた特異点分類のアルゴリズムの紹介  本講演では包括的グレブナー基底系等を用いたBruceらによるcomplete transversal theoremに基づく発表者らの分類のアルゴリズムの紹介をする。こ の分野のパイオニア的なアルゴリズムにKirkらによるTransversalが挙げられる のだが、k-jetの空間をR係数ベクトル空間として扱うため次元の大きなベクトル 空間の線形演算が必要となる点、モジュライパラメータが分類で出現するときに は、check_listを手動で確認して個別に対応しなければならない、という大きく 分けて二つの問題を抱えていた。包括的グレブナー基底系を用いることで、これ ら二つの問題を同時に解決を目指す、というところにこのアルゴリズム開発の主 眼がある。また、Transversal以来解かれていない複雑なモジュライパラメータ が出現する分類に対する認識問題の自動化への我々の取り組み、Adjacency Diagramの包括的グレブナー基底系を用いた分類のAdjacency Diagramの計算への 取り組みに関しても説明する。 > 11:00-12:30 寺本央3 タイトル:特異点分類のアルゴリズムの応用紹介  本講演では発表者らの特異点分類のアルゴリズムの応用を紹介する。結晶のバ ンドのトポロジカルな性質(捩れ同変K群により特徴づけられる)が変化する瞬間 にはバンドギャップが閉じなければならないが、そのバンドギャップが閉じる瞬 間のバンドの局所的な幾何構造の微分位相幾何学的な分類への応用に関して説明 する。この分類問題は泉屋らの分類の枠組みに同変性を加えた分類問題に帰着さ れ、分類には同変性に起因して複雑なモジュライパラメータの構造が出現する。 我々の分類アルゴリズムによりそのような場合にも組織的に分類を行うことが可 能となった。