高山 信毅
神戸大学理学部数学科
解析数理講座 教授
教育研究分野
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いろんな分野の数学に興味があるが 熱心に研究しているのが超幾何関数である. 超幾何関数は三角関数の逆関数の拡張であり数々の公式がある. これらの公式を代数, 幾何, 解析, 計算機などさまざまな方法で 研究している. 電子的な公式集をつくるプロジェクトも始めた.

それから数学のなかでアルゴリズムで計算できる量はなにか? できるとしてどのように計算できるかも熱心に考えている. とはいっても, 数学全部の分野でそのようなことを 一人でできるわけではないので, おもに, 微分作用素のなす環, 超幾何関数, 代数幾何の周辺の数学でそのようなことをやっている. 同時にそのようなアルゴリズムの計算機への実装も研究している (以上, 2004年2月の記述. 写真も2004年のもの). 最近の動向, 研究論文, 開発中のソフトウエアについては こちら を御覧下さい.

4年生, 大学院学生のみなさんには, アルゴリズムとは無関係な数学, アルゴリズムに関係する数学, プログラマーとしての修行, の3つのなかから, 各自の希望にしたがいいくつかを選んで勉強して もらっているが, 私にとってはこの3つはすべて相補的であり有機的に 関連している.

いまから(2004年2月の記述). 10 年の目標の一つは, 数学関連学科の数学ソフトウアの開発能力を アメリカ, カナダ, 西ヨーロッパの国程度までに引き上げる こと. 数学ソフトウエアは, 数学の研究のために利用されたり, 上のような"計算できるか?"という問題の答えを実証してみたり, またその技術成果が産業界に技術移転されている. こういった能書きはともあれ, 開発はとてもたのしい. 数学ソフトの開発を振興するため研究集会もいろいろ企画している. たとえば 2002 年の ICM のサテライトで 国際数学ソフト会議 を北京で開催.

死ぬまでに, コンピュータと数学の問題に関して議論できたらというのが夢である. コンピュータプログラムは人間とは違う形のある意味の知性を持ち得るものと期待している.