noro_mwl

noro_mwl User’s Manual

Edition 1.0

Nov 2009

Copyright © Masayuki Noro 2009. All rights reserved.

1 MWL 関連計算パッケージ noro_mwl.rr

このマニュアルでは, asir-contrib パッケージに収録されている, MWL 関連計算パッケージ ‘noro_mwl.rr’ について解説する. このパッケージを使うには, まず ‘noro_mwl.rr’ をロードする.

[1518] load("noro_mwl.rr");

このパッケージの函数を呼び出すには, 全て mwl. を先頭につける.

1.1 MWL 関連計算

1.1.1 mwl.pdecomp, mwl.pdecomp_ff

mwl.pdecomp(ideal,varlist[|gbcheck=yesno,f4=yesno])

mwl.pdecomp_ff(ideal,varlist,mod[|gbcheck=yesno,f4=yesno]) :: 0 次元イデアル ideal をいくつかのイデアルの共通部分として表す.

return

二要素からなるリスト

ideal

多項式リスト

varlist

変数リスト

mod

素数

yesno

0 または 1

• 0 次元イデアル ideal の各変数の最小多項式を既約分解し, 各既約 成分を重複度つきで ideal に添加することを繰り返して得られた イデアルのリストを第一要素, ideal の全次数逆辞書式順序に 関するグレブナー基底を第二要素とするリストを返す.
• mwl.pdecomp は有理数体上, mwl.pdecomp_ff は GF(mod) (位数 mod の有限体) 上での分解を行う.
• 出力リストの要素であるイデアルは, 必ずしも準素とは限らないが, 各変数の最小多項式が既約多項式のべきとなっているので, 準素に 近いことが期待される. これを準素分解の入力とすることで, もとの イデアルをそのまま準素分解するより効率よく準素分解できることが 期待される.
• デフォルトでは, グレブナー基底計算には nd_gr_trace が 用いられるが, オプション f4=1 を指定すると nd_f4_trace が用いられる.
• オプション gbcheck=0 を指定すると, グレブナー基底計算における チェックが省かれる. この場合, 大変小さい確率で正しい結果が出力されない ことが有り得るが, ほとんどの場合は正しいので, 予備的な実験を繰り返す場合 に有用である. 出力されたイデアルリストの全ての共通部分が入力 と一致すれば, 出力が入力イデアルの分解になっていることは保証される.

[1520] load("noro_mwl.rr");
[1554] B=[(x+y+z)^2*(x+y-z)^2,(x+y*z)^2*(x-y*z)^2,
 (x^2+y^2+z^2)^2*(x^2-y^2-z^2)^2]$
[1555] V=[x,y,z]$
[1556] L=mwl.pdecomp(B,V)$
[1557] C=L[0]$
[1558] G=L[1]$
[1559] length(C);
5
[1560] C0=primadec(C[0],V)$
[1561] C0[0];
[[x^2+(2*y-2*z)*x+y^2-2*z*y+z^2,...],[z^2+z+1,y-z-1,x+1]]
[1562] CM=mwl.pdecomp_ff(B,V,31991|f4=1)$
[1563] length(CM[0]);
5

1.1.2 mwl.generate_coef_ideal

mwl.generate_coef_ideal(f[|simp=yesno])

:: x, y, t の多項式 f の多項式零点 (x(t),y(t)) の係数の満たす 方程式のイデアルを生成する

return

多項式リストと変数リストのペアからなるリスト

f

多項式

yesno

0 または 1

• f(x,y,t)=(y^2+c1(t)xy+c3(t)y)-(x^3+c2(t)x^2+c4(t)x+c6(t)) に対し, x=am t^m+...+a0, y=bn t^n+...+b0 (ai, bj は未定係数) を f に代入したときの, 各 tのべきの係数 を並べたリスト ideal および, 未定係数のリスト vlist=[b0,...,bn,a0,...,am] のペア [ideal,vlist] を返す.
• 各 x, y の次数は, f から自動的に決定される.
• オプション simp=1 が指定された場合, am^3-bn^2 が ideal に含まれている場合には, 新しい変数 v を導入し, am=v^2, bn=v^3 により am,bn を消去した結果を返す.

[1519] load("noro_mwl.rr")$
[1553] F=y^2-(x^3-x+t^2)$
[1554] L=mwl.generate_coef_ideal(F);
[[b3^2-a2^3,2*b3*b2-3*a2^2*a1,2*b3*b1+b2^2-3*a2^2*a0-3*a2*a1^2,...],
[b3,b2,b1,b0,a2,a1,a0]]
[1555] L=mwl.generate_coef_ideal(F|simp=1);
[[-3*a1*v^4+2*b2*v^3,-3*a0*v^4+2*b1*v^3-3*a1^2*v^2+b2^2,...],
[b2,b1,b0,a1,a0,v]]

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目次

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• 1. 第1項
  • 1.1 第1.1項
    • ...
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    • 1.2.1 第1.2.1項
    • 1.2.2 第1.2.2項
    • 1.2.3 第1.2.3項     <== 現在位置
    • 1.2.4 第1.2.4項
  • 1.3 第1.3項
    • ...
  • 1.4 第1.4項

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