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3.2 数の型

0

有理数
有理数は, 任意多倍長整数 (bignum) により実現されている. 有理数は常に 既約分数で表現される.

1

倍精度浮動小数
マシンの提供する倍精度浮動小数である. Asir の起動時には, 通常の形式で入力された浮動小数はこの型に変換される. ただし, ctrl() により bigfloat が選択されている場合には bigfloat に変換される.

[0] 1.2;
1.2
[1] 1.2e-1000; 
0
[2] ctrl("bigfloat",1);
1
[3] 1.2e-1000;         
1.20000000000000000513 E-1000

倍精度浮動小数と有理数の演算は, 有理数が浮動小数に変換されて, 浮動小数として演算される.

2

代数的数
See section 代数的数に関する演算.

3

bigfloat
bigfloat は, Asir では MPFR ライブラリにより 実現されている. MPFR においては, bigfloat は, 仮数部 のみ任意多倍長で, 指数部は 64bit 整数である. ctrl()bigfloat を選択することにより, 以後の浮動小数 の入力は bigfloat として扱われる. 精度はデフォルトでは 10 進 9 桁程度であるが, setprec(), setbprec() により指定可能である.

[0] ctrl("bigfloat",1);
1
[1] eval(2^(1/2));
1.4142135623731
[2] setprec(100);      
15
[3] eval(2^(1/2));
1.41421356237309504880168872420969807856967187537694...764157
[4] setbprec(100);
332
[5] 1.41421356237309504880168872421

eval() は, 引数に含まれる函数値を可能な限り数値化する函数である. setbprec() で指定された2 進桁数は, 丸めモードに応じた結果の精度を保証する. setprec() で指定される10進桁数は 2 進桁数に変換されて設定される.

(See section eval, deval.)

4

複素数
複素数は, 有理数, 倍精度浮動小数, bigfloat を実部, 虚部として a+b*@i (@i は虚数単位) として与えられる数である. 実部, 虚部は それぞれ real(), imag() で取り出せる.

5

小標数の有限素体の元
ここで言う小標数とは, 標数が 2^27 未満のもののことである. このような有限 体は, 現在のところグレブナ基底計算において内部的に用いられ, 有限体係数の 分散表現多項式の係数を取り出すことで得られる. それ自身は属する有限体に関 する情報は持たず, setmod() で設定されている素数 p を用いて GF(p) 上での演算が適用される.

6

大標数の有限素体の元
標数として任意の素数がとれる. この型の数は, 整数に対しsimp_ff を適用することにより得られる.

7

標数 2 の有限体の元
標数 2 の任意の有限体の元を表現する. 標数 2 の有限体 F は, 拡大次数 [F:GF(2)] を n とすれば, GF(2) 上既約な n 次多項式 f(t) により F=GF(2)[t]/(f(t)) とあらわされる. さらに, GF(2)[t] の元 g は, f(t) も含めて自然な仕方でビット列とみなされるため, 形式上は, F の元 g mod f は, g, f をあらわす 2 つのビット列で表現することができる.

F の元を入力するいくつかの方法が用意されている.

8

位数 p^n の有限体の元

位数が p^n (p は任意の素数, n は正整数) は, 標数 p および GF(p) 上既約な n 次多項式 m(x) を setmod_ff により指定することにより設定する. この体の元は m(x) を法とする GF(p) 上の多項式として 表現される.

9

位数 p^n の有限体の元 (小位数)

位数が p^n の有限体 (p^n2^29 以下, p2^14 以上 なら n は 1) は, 標数 p および拡大次数 nsetmod_ff により指定することにより設定する. この体の 0 でない元は, p2^14 未満の場合, GF(p^n) の乗法群の生成元を固定すること により, この元のべきとして表される. これにより, この体の 0 でない元 は, このべき指数として表現される. p2^14 以上 の場合は通常の剰余による表現となるが, 共通のプログラムで 双方の場合を扱えるようにこのような仕様となっている.

10

位数 p^n の小位数有限体の代数拡大の元

前項の, 位数が p^n の小位数有限体の m 次拡大の元である. 標数 p および拡大次数 n, msetmod_ff により指定することにより設定する. 基礎体上の m 次既約多項式が自動生成され, その代数拡大の生成元の定義多項式として用いられる. 生成元は @s である.

11

分散表現の代数的数
See section 代数的数に関する演算.

小標数有限素体以外の有限体は setmod_ff で設定する. 有限体の元どうしの演算では, 一方が有理数の場合には, その有理数は自動的に現在設定されている 有限体の元に変換され, 演算が行われる.


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