
20 世紀後半は、電子計算機、プログラミング、計算数学、計算機による数学の他分野への応用が相互に関連しながらお互いに発展した。一番歴史があるのが、数値シミュレーションで、最近話題となっているのは、代数幾何、整数論の情報伝達技術への応用、確率微分方程式の金融への応用などであろう。このような時代になって、多くの数学者も戸惑い驚いている。また数学ソフトの発展により、数学者の研究スタイル及び数理工学者の数学応用のスタイルも大きく変化した。
このように、さまざまな数学の分野が計算機プログラムを介し、数学自身及び他分野に応用されるに至り、現在、計算機及びプログラミングの一般知識は、数学の教育研究にとって重要な基本知識の一つとなっている。これが我々の共通認識である。これはいわゆる計算機リテラシー能力とは違う。数学の教員免許を取得するにも、計算機リテラシー能力だけではなく、計算機及びプログラミングの一般知識が必須となっており、また学生の就職先を見ても、計算機ソフトウェア開発、システム保守の会社が大きな割合を占めている現状を鑑み、数学科で習得した数学及びその方法論を、計算機を介して他分野へ応用していける人材を輩出したいと思っている。
上記のような要請のもとに数学科では、数学関連の計算機科学の教育及び研究を積極的に行う研究分野として「計算解析」を設けている。
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