上記の理念のもとに、当数学科では数学を総合的な学問としてとらえ、学部学生に対して幅広く数学分野の教育を行い、また、計算・論理的思考・抽象的思考に十分習熟するよう訓練を行うことを目標とします。同時に、学生が数学における個々の対象の面白さや、それらの間の相互関係を体得できるカリキュラムが望ましいと考えています。また、個々の教員とセミナー形式で行う 4 年次の数学講究では、学生が現代の数学研究の一端に触れ、数学の豊かさ、美しさを味わうことを期待しています。
 自然科学や工学的技術における数学の重要性は言うまでもありませんが、抽象化や論理的推論の能力は、現代社会を支える高等教育全般において不可欠の要素です。その意味で、神戸大学の全学共通教育における数学教育の充実は、理系・文系を問わず重要な課題であると認識しています。理学部数学科は数学教育部会の中で他学部と連携・協力し、全学共通授業科目のカリキュラムの設定やその実施に対して責任を持ちます。また、大学での質の高い教育には高校までの数学の履修が必要であるという観点から、各学部各学科の学部入試に数学を課すことを推奨し、その出題・採点に対しても全面的な支援を行います。
 博士課程前期課程においては、セミナーと講義の両方を活用して、学生が自らの力で数学研究の出発点に到達できるように指導し、同時に、自分が理解したことを他者に対して説明し理解させる能力(いわゆる良い教育者としての能力)を身につけさせます。博士課程後期課程においては、独立した数学研究者および教育者として必要な能力を身につけさせることを目標とします。