特別講義「タンパク質の物理化学」 ( 2単位)
Physical Chemistry of Proteins
担当教員 配当年次 開講学期
助教授 水谷 泰久 3 後期

授業のテーマと目標

タンパク質の性質, 働きを物理化学の視点から解説する. タンパク質に対して物理化学の概念を単に応用するということではなく, タンパク質に関する重要な問題を物理化学の視点から考えることによって物理化学の理解がより深まることを目標とする.また、タンパク質を研究する物理化学的な実験手段についても併せて解説する.
授業の内容と計画(予定)

1. タンパク質での量子力学的過程
光化学反応(光合成、視覚)
電子移動反応
プロトン移動反応
2. タンパク質の静的構造
分子間力(特に水素結合)
タンパク質の水和
疎水性水和・疎水性相互作用
3. タンパク質の動的構造
タンパク質構造の変化、ヘモグロビンの協同性
タンパク質内でのプロトン輸送
タンパク質構造の揺らぎ
4. 分光法を使ったタンパク質の構造と機能に関する研究の紹介
履修上の注意

先行科目: 量子化学I・II, 反応速度論, 化学統計力学 . 後行科目: 分子構造論 .
先行の物理化学関連科目を履修し, 内容を理解しているものとして講義を進める.
成績評価方法

レポートの内容から判定する.
教科書

教科書は特に指定しない. 配布する講義資料をもとにして講義を進める.
参考書

Physical Chemistry, 6th ed., P. Atkins, Freeman (邦訳) 物理化学 (上・下) 第6版
P. W. Atkins 著 千原秀昭・中村亘男訳, 東京化学同人
Biochemistry, 2nd ed., D. Voet and J. G. Voet, Wiley (邦訳)
生化学 (上・下) 第2版 D. Voet J. G. Voet 著 田宮信雄・村松正実 八木達
彦 吉田 浩訳 東京化学同人
化学・生命科学系のための物理化学 R.Chang 著, 岩澤康裕・北川禎三・訳, 東京
化学同人
学生へのメッセージ

物事を深く理解するには頭の中に豊かなイメージをもつことが大切である. 知識を得るばかりでなく, 現象をできるだけいろいろな方向から考察するという姿勢で受講してほしい.
その他

オフィスアワー: いつでも可..
http://www.chem.sci.kobe-u.ac.jp/~mizutani/index.html 

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