反応速度論 ( 2単位)
Reaction Kinetics
担当教員 配当年次 開講学期
助教授 吉田 憲鐵 3 前期

授業のテーマと目標

本講義の目標は,反応速度に関する現象論的な法則の理解と,速度理論に基づく 反応の分子論的認識の向上にある.このため,基本的な気相反応に関する基礎知 識を解説するとともに,溶液反応等の特徴についても簡単に触れる.
授業の内容と計画(予定)

1. 反応速度論の位置づけ:目的と手法
2. 基本的な速度式(反応速度の濃度依存性)
・単純反応形式の速度式
・反応次数と速度定数の決定法
・複合反応形式の速度式
3. 反応速度の温度依存性(アレニウス式)
・活性化の概念と活性化エネルギー
・複合反応の活性化エネルギー
4. 反応機構の決定
・近似的な速度解析法:平衡的取扱いと定常状態法
・反応機構の決定例
・連鎖反応と爆発
・化学緩和法:可逆反応の近似的取扱い
5. 素反応の速度理論
・衝突理論
・リンデマン機構と単分子反応理論
・遷移状態理論
6. 不均一系・凝縮系の反応
・溶液反応
・固相反応
履修上の注意

先行科目: 物理化学I, 物理化学II . 後行科目: 化学統計力学 .
微分と積分の素養があれば理解できる内容である.数式が数多く登場するが,その複雑さに惑わされることなく,イメージを描いて内容の把握に努めて欲しい.また,同期に開講される化学統計力学を履修することが望ましい.
成績評価方法

2回の小テストと期末試験の成績に基づいて判定する.
教科書

プリントを配布し,教科書は用いない.
参考書

慶伊富長著『反応速度論』東京化学同人
齋籐勝裕著『反応速度論?化学を新しく理解するためのエッセンス』三共出版
土屋荘次著『はじめての化学反応論』岩波書店
学生へのメッセージ

疑問はその場で解消すること.講義中・講義後,いつでも質問を歓迎します. 興味を覚えた部分があれば,各自で更に深く掘り下げて理解して欲しい.
その他

オフィスアワー: 随時.

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