特別講義 「力学系 A」
Advanced Topics (Dynamical System A)
担当教員
非常勤講師 伊藤秀一
目的・方針
力学系理論の中心的な分野の一つであるハミルトン力学系は 古典力学の運動を記述するものであり,天体力学や解析力学に 源流をもち,その研究は数学の諸分野をはじめ非線形物理などにも 関わる広がりをもった分野である.本講義ではそのような背景にも 触れながら,19世紀末にポアンカレが「力学の基本問題」と呼んだ 近可積分系の問題について,基本的な結果を概観し今後の問題に ついて論じる.
内容
おおむね以下のような順序で進める.
1.ケプラー問題から3体問題へ
2.ハミルトン系とシンプレクティック構造
3.可積分系とその摂動
4.ねじれ写像
5.KAM 理論(準周期解をのせた不変トーラスの存在定理)
6.Nekhoroshev 理論(実効的安定性について)
履修要件
常微分方程式の入門程度の知識を仮定する.
テキスト
参考書:
V.I. Arnold: Mathematical Methods of Classical Mechanics 2nd ed., Springer
V.I. アーノルド: 数理解析のパイオニアたち,シュプリンガー東京
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