量子光学
( 2単位)
Quantum Optics
担当教員
配当年次
開講学期
教授 福田 行男
4
前期
授業のテーマと目標
量子光学は, 光 (電磁波) および光と物質の相互作用を量子論に基づいて取り扱う 学問分野であり, ・量子論の重要な基盤の一つである. また, レーザー, レーザー 分光学, 非線形光学, 量子エレクトロニクス, 光エレクトロニクス等の学問分野の 直接的な基礎としても重要である. また, 光の量子論は量子論の成立の端緒として の歴史的意義も大きい. この授業では, 光の物理学の古典論と量子論をテーマとし, その基礎的な概念の理解を目標とする.
授業の内容と計画(予定)
次に挙げる各項目について講義する.
1. 光および光と物質の相互作用の古典論.
(マクスウエル方程式, 波動方程式, 電磁波, 偏光, 反射, 屈折, 干渉, 電気感受
率)
2. 量子論誕生の契機となった空洞放射の問題等と光量子の概念.
(プランクの熱放射式, アインシュタインのA, B係数, 自然放出と誘導放出)
3. 光の量子論に関連する基礎的な事項
(輻射場の量子化, 光子数状態とコヒーレント状態)
4. 物質系のみを量子論的に扱う光と物質の相互作用の半古典論.
(物質による光の吸収・放出)
5. レーザーの原理と特性および光のコヒーレンス.
(反転分布, 光の増幅・発振, コヒーレンス, 各種レーザー, レーザーの動作モー
ド, etc.)
6. コヒーレントな光と物質の相互作用およびレーザー分光学・非線形光学における
諸現象.
(光学的ブロッホ方程式, 自由誘導減衰, フォトンエコー, 高分解能分光法, 高調
波発生,
etc.)
履修上の注意
この講義の十分な理解には, 電磁気学, 量子力学, 原子物理学の基礎的な知識が 必要である.
成績評価方法
学期中に課すレポートと学期末に行う試験の結果に講義の出席状況を加味して成績 を評価する.
参考書
松岡正浩, 量子光学 (裳華房テキストシリーズ-物理) , 裳華房
Rodney Loudon, The Quantum Theory of Light (2nd edition), Clarendon Press,
Oxford (小島忠宣・小島和子共訳, 光の量子論 (第2版) , 内田老鶴圃)
P. L. Knight and L. Allen, Concepts of Quantum Optics, Pergamon Press,
Oxford (氏原紀公雄訳, 量子光学の考え方, 内田老鶴圃)
櫛田孝司著, 量子光学 (朝倉現代物理学講座-8) , 朝倉書店
霜田光一著, レーザー物理入門, 岩波書店
学生へのメッセージ
平易な講義を心掛けるが, 講義の内容や進め方についての要望があれば, 随時発言 して貰いたい. また, 質問等も歓迎するので, 興味と目的意識を持って能動的な姿 勢 で授業に臨むことを期待する.
その他
オフィスアワー: 随時 (国文D407).
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