量子化学 II
( 2単位)
Quantum Chemistry II
担当教員
配当年次
開講学期
教授 富永 圭介
2
後期
授業のテーマと目標
分子の様々な挙動は量子力学に基づいており, これを理解するには量子力学は必須である. 量子力学の基礎的事項と分子の構造・動的挙動・化学反応の理解に必要な量子力学を量子化学 I, 量子化学 II で講義する. 量子化学 II では, 多電子原子の電子構造, 波動方程式の近似解法とその応用,分子への適用・分子の電子状態について講義する. 分子中の電子の様子・振る舞いを量子力学に基づいて正し思い描くことが出来ることを目標とする.
授業の内容と計画(予定)
1. 近似的解法
  1.1 摂動法
  1.2 変分法
2. 多電子原子中の電子に対する波動方程式と近似解法
  2.1 Hartree-Fockによる近似解法
3. 多電子原子の電子構造
  3.1 電子配置
  3.2 多重構造
  3.3 スピン・軌道相互作用
  3.4 Slater原子軌道関数
4. 分子に対する波動方程式
  4.1 電子の運動と原子核の運動の分離ノBorn-Oppenheimer近似
  4.2 原子核の運動ノ並進, 回転, 振動の分割
5. 分子の電子構造 (1) 水素分子イオン
  5.1 分子軌道法による波動方程式の近似解
  5.2 波動方程式の正確な解
6. 分子の電子構造 (2) 水素分子
  6.1 原子価結合法
  6.2 単純LCAO-MO法ノ単純な分子軌道法
  6.3 LCAO-MO-SCF法
7. 分子の電子構造 (3) 多原子分子の ab initio 計算
履修上の注意
先行科目: 物理化学II、量子化学I .
先行科目を履修し,内容を理解していることが必須である。
成績評価方法
出席,宿題、演習,レポート,試験,受講態度等による総合評価
参考書
アトキンス「物理化学」(東京化学同人)
マッカーリ・サイモン「物理化学」(東京化学同人)
P. W. Atkins and R. S. Friedman, Molecular Quantum Mechanics, Oxford University Press.
その他
オフィスアワー: 随時.
http://www.chem.sci.kobe-u.ac.jp/~tominaga/index.html
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