極限物性学特論B
Topics in the physics under extreme conditions B
担当教員
非常勤講師 広井善二

目的・方針

強相関電子系の舞台として様々な興味深い物性を示 す遷移金属酸化物につい て,その基礎となる結晶 化学と物性物理について概観する.特に様々な物質 を取り上 げ,高温超伝導や特異な磁性について議 論し,遷移金属酸化物の面白さを伝えたい.
内容

遷移金属酸化物の面白さは、その結晶に含まれるアボガドロ数ほどの膨大な数 のd電子が示す物性の多様さにある。d電子はその間に働く強いクーロン反発(電子相 関)のために、ある時は動けなくなって局在し、またあるときは押し合いへし合いしながら動き回り、かろうじて金属状態となる。この絶縁体と金属の狭間に見出された のがまさに銅酸化物の高温超伝導であった。そこでは電子相関が重要な役割を演じ, 新しい機構による超伝導が実現していると考えられている.銅酸化物超伝導の舞台はCuO2面であり,これはスピン1/2の正方格子を基本としている.一方,遷移金属酸化 物 にはその他にも様々なタイプの格子が存在し,それぞれに興味深い物理を含んで い る.例えば,三角形を基本とした格子にはいわゆるフラストレーション効果が期待され,特異な基底状態を実現すると考えられている.本講義では様々な物質につ いて実例を挙げ、誰にでもわかりやすい次元の低い物理の話をしたい.
テキスト

特になし
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