量子光学特論A
Topics in Quantum Optics B
担当教員
非常勤講師 中原 幹夫

目的・方針

古典情報処理では0と1の値をとる「ビット」を情 報の単位とする。 一方、0の代わりに|0〉、1の代わりに|1〉とい う、複素2次元 空間の正規直交基底をとり、ベクトル|ψ〉= a|0〉+ b|1〉を情 報の単位(「量子ビット」)とする情報処理を量子 情報処理という。 量子力学では、量子ビットは2状態系に対応する。 複数の量子ビッ トの集合は、古典的な対応物を持たない「もつれた 状態」をもつ。 量子ビットに作用するアルゴリズムは、量子系に作 用する時間推進 演算子で表現される。時間推進演算子の線形性とも つれた状態の存 在は、古典的な直感をはるかに超える情報処理能力 を量子系に与え ることが出来る。本講義では、量子情報処理の基礎 と、代表的な量 子アルゴリズムのいくつかを紹介し、物理系におけ る量子アルゴリ ズムの実行例として、NMRを用いた量子コンピュータ を紹介する。
内容

1.線形代数の補足
2.量子力学の枠組み
3.量子ビット、EPR対、量子暗号鍵配布
4.量子ゲート、No Cloning 定理、量子テレポーテー
ション
5.量子コンピュータとUniversality 定理
6.GroverのアルゴリズムとShorのアルゴリズム
7.NMR量子コンピュータ
  講義の進行に合わせて適当に取捨選択および補足を行う。
履修要件

テキスト

講義時に配布する。
参考資料:中原著「量子計算入門」、物性研究 83
(2005) 699.
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