細胞コミュニケーション
( 2単位)
Cellular Communication
担当教員
配当年次
開講学期
教授 林 文夫
3
後期
授業のテーマと目標
細胞が一つの生命単位としてこの世界に存在するためには, 物質やエネルギーの 出入り や相互転化が大切であることは言うまでもないが, 情報の出入りや処理も生命の 不可欠の 要素である.細胞が状況に応じてうまく生きのびたり外界に働きかけたりするた めには, 外 界からの信号を適切に受けとり, 記憶と対照して迅速に判断し, 対処する能力が 必要であ る.特に多細胞生物の場合, 細胞相互のコミュニケーションが極めて大切にな り, 多数の細 胞が協調したり排他的に働いたりして個体を構成・維持している.細胞間コミュ ニケーシ ョンは進化の豊富な源泉となり, 生命に飛躍的な可能性を与えた.本講義では, 単細胞の情 報受容や応答に始まって, 多細胞の複雑な細胞間コミュニケーションにいたる最 近の研究 成果を紹介し, この研究分野の基礎知識を身につけ, 最新のトピックスに触れる 機会を与 えたい.
授業の内容と計画(予定)
1.イントロダクション
なぜ細胞と細胞はコミュニケーションする必要があるのか?
細胞間コミュニケーションの基本的様式
2.細胞質ブリッジ(Gap junction)による情報伝達
3.細胞外メッセンジャーによる情報伝達:内分泌, 傍分泌, 自己分泌,
神経伝達物質, 局所メディエーター, サイトカイン
4.細胞内信号伝達の諸形式:イオンチャンネル型, G蛋白質仲介型受容体,
チロシンキナーゼ型, セリン・トレオニン型キナーゼ型
CNG合成酵素型
5.細胞外表面に提示された信号物質による情報伝達:抗原提示蛋白質,
細胞接着蛋白質, 糖脂質
6.細胞内・細胞間コミュニケーション研究の今後
成績評価方法
参考書
Biochemical Messengers by D.G.Hardie, Chapman&Hill.など
その他
オフィスアワー: 随時;但し事前にメールでアポイントをとること.
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