大気水圏科学
( 2単位)
Atmosphere-Hydrosphere Science
担当教員
配当年次
開講学期
教授 林 祥介
3
後期
授業のテーマと目標
地球および惑星の大気(あるいは海洋)の諸特徴を概観し, その成り立ちを理解する為に必要となる基礎知識の一端を学ぶ. 天気予報や気候変動予測がどのように行われ, また, 生命を育む惑星地球の安定性がどのように理解されているか, あるいは, それができないかについても言及したい.
授業の内容と計画(予定)
1. はじめに: 地球および惑星大気科学とは
2. 惑星大気の基本的特徴
3. 熱と放射
4. 放射伝達
5. 大気の鉛直構造
6. 暴走温室・暴走凝結
7. 南北構造
8. 全球凍結
9. 大気・海洋の大循環
10. 天気予報・気候予測
成績評価方法
学期末試験70点, 授業の際おりにふれて課す小レポートの合計を 30 点として, 計 100 点満点で成績を評価する.
参考書
以下の 4 冊を推薦する(もちろん購入を義務づけるものではない):
小倉義光著, 一般気象学, 東京大学出版会,
日本海洋学会(編), 海と地球環境, 東京大学出版会
松田佳久, 惑星気象学, 東京大学出版会
清水幹夫編, 惑星の科学, 朝倉書店(ただし, 通常ルートでは入手不可能, 古書店で見付けたらラッキー)
学生へのメッセージ
大学生活 4 年間の間に身につけることが期待されている心構えは, 与えられた知識を吸収する受身の態度からの離脱でありましょう. 自分の行き先とそこに至る地図を自分で描く練習を行う機会であります. 自分の知りたいことを自分で持ち, それを知るための知識が何であるのかを自分で探索し, これを獲得していくこと(必要とする知識がどこにも無ければもはや研究ですね), それを可能とするための知的基礎体力を身に付けること. このような自発自律的な知的活動を行うことは, 日本の初等中等教育の知識供給スタイルに慣れ親しみ,さらに, 大学受験指導によって最適化(効率化)がなされてしまった脳には苦しいことであるに違いありません. 本来, 講義等で提供できる情報は, 自然界の成り立ちを知ろうとして人間が積み上げて来た努力とその結果としての知識のほんの一部分でしかないことは言うまでもなく, ましてや, その知識は(惑星の定義の例を引くまでもなく)時々刻々変わっていくものでもあります(早い話が必ずしも正しくはない). 自らの意志で知識の集積に務め自らの中に体系化していくことを試みてほしいものであります.
その他
オフィスアワー: 木曜日 12:00 〜 13:00 (出張時除く). .
shosuke@gfd-dennou.org
http://www.ahs.scitec.kobe-u.ac.jp/
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