太陽系科学概論
( 2単位)
Introduction to Solar System Sciences
担当教員
配当年次
開講学期
教授 向井 正
1
後期
授業のテーマと目標
まず, 現在の我々が, 宇宙の何処にいて, 流れる時間系の何処に位置するかを明らかにする. ついで, 太陽系の構造を明らかにした力学の歴史を辿りつつ, 諸法則を 単なる結果として捉えるのではなく, それらが得られた過程の興味深さを強調したい.更に, 太陽系天体の観測手段としての光の実体を考察する。「光とは何か?」を 追及してきた道筋を概観し, 光速度不変から相対性理論が生まれてきた必然性に触 れる. これらに加えて, 最新の太陽系研究の成果を取り上げて解説する時間を設ける.
授業の内容と計画(予定)
1. イントロダクション (時間の流れ, 宇宙の片隅)
2. 第I部 力学的世界観の変遷
1章 静力学 (アルキメデスの世界) アキレスと亀, 連続と不連続
3. 2章 動力学 (アリストテレスからガリレオへ)
4. (ニュートンの運動法則)
5. 3章 惑星の運動
天動説・地動説・ケプラーの法則, ニュートンが考えたこと
6. 第II部 光学の歴史
1章 光とはどんなものか?
ニュートン/ホイヘンスからマイケルソン/モーレー, エーテルの否定
7. 2章 夜空の星はなぜ見える? 光子, 量子論
8. 第III部 特殊相対性理論の世界
1章 ガリレオ変換, ローレンツ変換
9. 2章 縮む空間・伸びる時間, 質量はエネルギー
10. 第IV部 太陽系科学の最新トピックス
例;系外惑星系, 氷天体の謎, 地球を取り巻く塵の雲, 等.
履修上の注意
履修上の注意は取り立てて無い. ただ, 好奇心を失わず, たんなる傍観者ではなく 絶えず質問を発する心構えで講義に参加して欲し い. これまでの物理, 数学, 地学といった基礎知識の有無は, 全く問題としない.
成績評価方法
成績の評価方法は、出席状況・レポート等を総合して判定する。
教科書
アインシュタイン, インフェルト, 物理学はいかに創られたか上・下, 岩波新書
朝永振一郎, 物理学とは何だろうか, 岩波新書
学生へのメッセージ
知識を身に付ける最も容易な方法は?知識を生かす最も有効な方法は?
その他
オフィスアワー: いつでも可.
mukai@kobe-u.ac.jp
http://harbor.scitec.kobe-u.ac.jp/~mukai/
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