地球惑星科学基礎 III ( 2単位)
Fundamentals of Earth and Planetary Science III
担当教員 配当年次 開講学期
准教授  岩山 隆寛 2 後期

授業のテーマと目標

地球惑星科学を専攻する上で基礎となる数学について学ぶ. 先ず,物理現象を記述する微分方程式として頻繁に登場する定数係数の2階線形常微分方程式の解法を取り扱う.次に特に振動現象を記述し, 解析するための道具として頻繁に用いられるFourier級数, Fourier 変換の基礎と 応用, 発展について詳しく解説する. 連続体の力学を扱う際に便利な計算法である和の規約, また, 微分形式やフラクタル解析など現代数学に関する内容も入門的に紹介する.
授業の内容と計画(予定)

1. 定数係数を持った2階の線形常微分方程式の解法
2. Fourier級数展開
3. 複素Fourier級数展開
4. Fourier変換
5. 拡散方程式
6. Fourier級数展開の幾何学的意味
7. 和の規約
8.微分形式
9.フラクタル解析と確率統計
履修上の注意

先行科目: 地球惑星科学基礎I, 地球惑星科学基礎I演習 . 後行科目: 地球流体力学, 地球電磁気学 I, II, 地球電磁気学実験, 大気水圏科学, 大気水圏科学実習, 非線形科学, 地震学実習 .
本科目は「地球惑星科学基礎III演習」と相補的内容になっている.したがって, 演習と合わせて履修することが望ましい.
成績評価方法

学期末の試験と出席, 授業中に適宜出すレポートを総合判断する.
教科書

授業中には,講義内容の概略をプリントにして配る.またこのプリントは下記URLからも取得できるようにしてある.
参考書

1. 和達三樹:物理のための数学, 岩波書店.
2. 矢野健太郎:解析学概論, 裳華房.
3. 中原幹生:理論物理学のための幾何学とトポロジーI ,II,ピアソンエデュケーション
学生へのメッセージ

地球惑星科学のうち, 物理学系の分野 (地震学・地球電磁気学・地球及び惑星大気科学・ 太陽系物理学・宇宙科学・非線形科学など) を志望する諸君にとっては, 本講義で 述べる内容の理解は必須です.将来, 大学院を志望される諸君は, その入試でも 問われることになるはずです. しかし, ここで述べられる数学・物理学は, 大学入試までのような無味乾燥なものではありません. 自然現象を物理学的に 研究するにはどうすればよいか,その道具として数学をどう使えばよいか, その結果 どういうことが明白に示せるのか,というような側面を重視して, できるだけ面白く わかりやすい授業を目指します. 基礎物理学や数学の手法を用いて研究するためには, それらを実際に使ってみて 十分に習熟しておくことが必要です. 演習では, 地球惑星科学基礎IIIの視点・趣旨・ 内容に従い, 自然現象を物理学的に研究するために最低限ここだけは押さえておいて 欲しいという問題を, 諸君自らが解いていくことによって自然と習熟していくよう 指導します.
その他

オフィスアワー: 平日昼休み(岩山:自然科学研究科3号棟5階502号室)..
iwayama@kobe-u.ac.jp 
http://www.ahs.scitec.kobe-u.ac.jp/~iwayama/teach/teach_07.html  

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