代数学 I ・同演習
Algebra I and Exercises
担当教官 配当年次 開講学期
教授  齋藤 政彦 2 前期

授業のテーマと目標

この授業では, 群の理論を中心に, 代数学の最も初歩を講じると共に, 演習によって抽象的な理論をなるべく多くの具体例で肉付けし, 代数学の 手法に慣れてもらうことを目的とする.
授業の内容と計画(予定)

代数学の入門として, 基本的な代数系の概念を紹介し, 群論の初歩を
扱う. アーベル群の基本定理までを目標とする. 主な項目は次の通り.
1. 基本概念: 演算, 半群, 群, 環, 体など
2. 群論の基礎: 部分群, 置換群, 巡回群, 剰余群, 準同型と同型, 直積など
3. アーベル群: 自由アーベル群, ねじれ群, アーベル群の基本定理など
演習では, 毎回問題を出しそれに関し質疑応答を行う.
履修上の注意

先行科目: 数学要論 I . 後行科目: 代数学 II -- IV .
教科書の予習, 復習を十分行うとともに, 演習を自分で考えて 解く態度を身に着けて欲しい.
成績評価方法

成績評価は次の二つを重視して総合的に行う. 1) 期末試験 (場合によっては中間試験も行う.) 2) 演習での発表
教科書、参考書

教科書: 堀田良之著 代数入門--群と加群 (裳華房), 参考書: 森田康夫著 代数概論 (裳華房)
学生へのメッセージ

人生には, しなくても良い苦労と, したほうが良い苦労がある. 数学の他の科目と同様, 代数学の勉強が後者である事はいうまでもない. 疑う人は私の講義に出てみて欲しい. 一般的にいって, 代数学を習得する 苦労の一番の種は 抽象的で厳密な思考になれ, その抽象的思考を 現実の問題解決に結びつける力をつける事が容易ではない事による. この力を身に着けるのには苦労はするが, 身に着けた後には 広い豊かな世界があなたを待っている. (蛇足であるが, しばしば人間は, 後者の苦労を避ける為に 前者の苦労に身をささげてしまう傾向があるようである. )
その他


メールアドレス: mhsaito@math.kobe-u.ac.jp.



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