本講義では, UNIX と呼ばれる OS (オペレーティングシステム) の上で, さまざまなソフトウェアを用いながら作業することになる. 以下で, 最低限知っておくべき事項について説明する.
Windows でも場合によってはそうだが, UNIX の場合には, 使用前に 使う人が自分の名前, パスワードを入力する必要がある. この操作を login と呼ぶ. また, 使い終ったら, logout して, login 受け付け 状態に戻す必要がある. logout の方法はさまざまだが, 通常はマウス 右クリックなどでメニューを出し, logout を選ぶという方法による. これらは, 端末を共有するという点から明らかに必須の行為である.
Windows の場合, 文書, email を書くには, メニューから選んだり, アイコン をダブルクリックすることでアプリケーションを立ち上げることができるが, UNIX 上ではしばしばコマンド名をキーボードから入力する必要がある. これを行うためのウィンドウが端末エミュレータで, Windows でいえば コマンドプロンプトにあたる. 端末エミュレータは, 画面左下の ディスプレイのアイコンをクリックすると起動できる.
Windows を個人使用している場合, どこに自分のファイルをおく(おける) かは通常気にしない. 例えばワープロソフトなどが勝手にフォルダを指定 してしまう場合がある. しかし, UNIX の場合, ユーザが読み書きできる ディレクトリはあらかじめ指定されている. ユーザ個別のディレクトリは ホームディレクトリと呼ばれる. login 後, 端末エミュレータを起動し 次のコマンドを実行してみてほしい.
% /usr/ucb/printenv HOME /home/noroこの場合 /home/noro がホームディレクトリであることが分かる.
端末エミュレータを起動すると, ある文字列の後に四角が現れる. この文字列
のことを prompt (入力促進文字列) といい, 四角のことをcursor (カーソル)
という. prompt に対してコマンド名を入力して キー
を押すと, そのコマンドが起動される. 実はこの仕事 (コマンド名の読み込み,
コマンドの立ち上げ) をしているのは端末エミュレータではなく, その下で動い
ている shell (シェル)というプログラムである. shell には大きく分けて
Bourne 系 shell ( sh, bash など) と C shell ( csh,
tcsh など) があり, 複雑なことをさせようとするとやり方が違ってく
る. センターの環境では, 最初は csh に設定されているようなので,
以降の説明は csh を用いる.
コマンドを立ち上げるためには, いろいろな情報が必要であるが, 最も重要な のがコマンドファイルのある場所である. 次のコマンドを実行してみて欲しい.
% /usr/ucb/printenv PATH .:/usr/openwin/bin:/usr/bin:/usr/local/bin:/usr/ucb:/usr/etc:...これは, `:' で区切られたディレクトリのリストである. コマンドの名前 (emacs など)のみ が与えられた場合, シェルはこのリストの先頭から順にファイルを探し, 最初に見つかったものを実行する. このリストに新しくディレクトリを追加 するには, はホームディレクトリの下の .cshrc の中の,
set path = ( ... )にそのディレクトリ名を追加すればよい.
後で述べる emacs から email の読み書きは可能だが, 設定が初心者 向けでないことから, Windows から AL-Mail (あるめーる) で読み書き することをお勧めする. Sun Ray1 端末にログインすると, 下部に Windows の アイコンが見える. ここをクリックすると, Windows 2000 の仮想画面が 現れる. ここにログオン (Windows ではなぜかログオン/ログオフ) する と, AL-Mail のアイコンがあるので, これを使って email の読み書き ができる. なお, 最初に使うときには設定が必要で, これは
http://www.ipc.kobe-u.ac.jp/Manual/almail/Al2.html
を参照のこと. AL-Mail による email の読み書きは, ほとんど説明
不要と思うが, ありがちなのが, 「送受信」のし忘れである. 特に,
「送受信」を自分からしない限り, メールが自分のところまで届かないので
要注意. 「送受信」は, 右上の方にある郵便受けのアイコン.
「ホームページを見る」とか「インターネットする」ためのツールとして Netscape が用意されている. 下段の左端のそれらしいアイコンを クリックすれば立ち上がる.
http://www.math.kobe-u.ac.jp/
などを覗いてみる.