解析学 VI・同演習
(3単位)
Analysis VI and Exercises
担当教官
配当年次
開講学期
助教授 福山 克司
助手 中西 賢次
3
前期
授業のテーマと目標
この講義の目的は, 一般に測度論又はルベーグ積分論と呼ばれる理論を 理解することである. 測度とは長さ, 面積, 体積などの概念の拡張で あるが, 数学的に扱いやすい測度を定義する試みが今世紀初めまで 様々になされてきた. その中でもっとも成功したのがルベーグによる 測度論であり積分論である. その特徴はジョルダンによる測度論が ギリシャ以来の伝統にのっとり集合演算などを任意有限回に限って 運用するのに対し, 積極的に可算無限回の演算を導入することにより, 極限演算について安全かつ透明な理論となったところにある.
本講義に於ては, ルベーグによる測度論積分論を, その後の研究の 進歩によりかなり整理された形で解説することになる. 測度論の 理論構築そのものも重要であるが, 応用上至るところに現れる 積分と極限の交換, 積分と微分の交換, 積分順序の交換についての 定理は, 身を以ってルベーグ積分のありがたみを理解するべきところでも あり, 演習でも力を入れるところである.
授業の内容と計画(予定)
主な講義項目は以下の通りである.
1. 有限加法的集合族と加法的集合族
2. 外測度と可測集合
3. 可測関数
4. 非負値可測関数の積分
5. 可測関数の積分
6. リーマン積分との関係
7. 積分の収束定理, 微分と積分の順序交換
8. フビニの定理(重積分の積分順序の交換についての定理)
履修上の注意
先行科目: 基礎解析 I--II, 解析学 III--V, 数学要論 I, II・同演習
後行科目: 解析学 VII, 関数解析学 I, 確率論 I
成績評価方法
演習への参加状況及び学期末の試験結果による.
教科書、参考書
参考書: 伊藤清三著 ルベーグ積分入門 (裳華房)
参考書: 猪狩惺著 実解析入門 (岩波書店)
参考書: 吉田洋一著 ルベグ積分入門 (培風館)
学生へのメッセージ
演習に積極的に取り組むことが, 講義内容を理解する大きな助けになる.
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