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8.2 基本的な函数

2003 年以前の版においては, グレブナ基底を計算するための基本的な函数は dp_gr_main() および dp_gr_mod_main(), dp_gr_f_main() なる 3 つの組み込み函数であった. 通常は, パラメタ 設定などを行ったのちこれらを呼び出すユーザ函数を用いるのが便利である. これらのユーザ函数は, ファイル ‘gr’ を load() により読 み込むことにより使用可能となる. ‘gr’ は, Asir の標準 ライブラリディレクトリに置かれている.

[0] load("gr")$

現在の版においては, nd_gr, nd_f4 などの新しい関数が実装されており, 一般にこちらの方が効率よくグレブナー基底が計算できる (nd_gr, nd_gr_trace, nd_f4, nd_f4_trace, nd_weyl_gr, nd_weyl_gr_trace).

2003 年以前の版において グレブナ基底を計算するためのトップレベルは次の 3 つである. 以下で, plist は多項式のリスト, vlist は変数 (不定元) のリスト, order は変数順序型, p2^27 未満の素数である.

gr(plist,vlist,order)

Gebauer-Moeller による useless pair elimination criteria, sugar strategy および Traverso による trace-lifting を用いた Buchberger アル ゴリズムによる有理数係数グレブナ基底計算函数. 一般にはこの函数を用いる.

hgr(plist,vlist,order)

入力多項式を斉次化した後 gr() のグレブナ基底候補生成部により候 補生成し, 非斉次化, interreduce したものを gr() のグレブナ基底 チェック部でチェックする. 0 次元システム (解の個数が有限個の方程式系) の場合, sugar strategy が係数膨張を引き起こす場合がある. このような場 合, strategy を斉次化による strategy に置き換えることにより係数膨張を 抑制することができる場合が多い.

gr_mod(plist,vlist,order,p)

Gebauer-Moeller による useless pair elimination criteria, sugar strategy および Buchberger アルゴリズムによる GF(p) 係数グレブナ基底計 算函数.

現在の版においては, これらに相当する機能は nd_gr, nd_gr_trace にまとめられている. 詳しくは nd_gr, nd_gr_trace, nd_f4, nd_f4_trace, nd_weyl_gr, nd_weyl_gr_trace 参照.


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この文書は4月 25, 2024texi2html 5.0を用いて生成されました。